『キリン第26巻』東本昌平

面白くないと言えばそうかもしれないが、今のシリーズが終焉に向かっているのは事実だと思う。
長く引っ張っても後3巻…せいぜい2巻、ということは今年の年内には北海道編に話しが戻って終わってしまう。

酒席の宴会の後で何を思う…?
出来れば早く自由になって自分の好きなことをしたい、
早く解放されたい!と思うが
解放されない場合の次の選択は:
大概は
 歌を歌う(踊るのも含まれる)
 更に飲む、(更に食べる.もしくは非合法薬物を使う)
 性欲を満たす(もしくは疑似行為に及ぶ)
 博打をする、
 暴力を振るう(暴走、喧嘩、戦争も同じ)
これくらいの選択肢しかないのでは?と思う。

酩酊した後には物欲、名誉欲等々の欲望以外とは違う人間の基本的欲望が先ず
第一の選択肢となると思う。

したがい『キリン』の現シリーズでは人間の酩酊した後の欲望の大半を描いてしまったと言えるので他の方面に話を展開するのは難しいと思う。
残されているとすればそれは原点である『バイクに乗る』という行為や欲望しか
ないのではないか?
元々それが現行の若い『キリン』と呼ばれる青年が欲する世界であることは
このシリーズの最初からわかっていたことでもある。
つまりは自然的な原点回帰であるが、すでに取り返しのつかない
時間が経過しているという事実だけが残る。
『ガルーダ』の親分自身でもそのあたりのことにはとっくに気が付いているような
表現を見受けられる。『キリン』と呼ばれる青年ではなくこの親分に東本は感情移入しているのではないか?と思える。

次のシリーズは一体どうなるのか?
想像するだけで楽しい。