『浮浪雲 第834回 炭団(たどん)』ジョージ秋山

掲載号はビッグコミック・オリジナル2009年2.20 定価270円
である。

炭団屋で働く八吾郎の話。
女房と幼子(二郎)と3人での幸福な暮らし。

雪が降った翌朝、かぼちゃのてんぷらを食べている最中に八吾郎は
外に飛び出す。

八吾郎は「故郷みてえに、たっぷりと積もって欲しかったなあ…」
と朝食中に故郷を想う。その直後のことである。

懐へ石を詰め込み大川へ身を投げた八吾郎。

一年後に大川のほとりで、
八吾郎の息子(二郎)がおっかさんに
なんでおとっつあんが死んだのか聞く。

八吾郎の女房は「別になんにも…」とだけ答える。

久々に心に沁みた一話であった。

八吾郎の気持ちがなんとくわかるし、
八吾郎の女房の気持ちもなんとなくわかる、様な気がする。

特に何があったわけでもなく、
「別に何にも…」
と答えるしかない時も人生にはあると思う。