世界文学全集【全30巻】河出書房新社

新潮クレストブックと張り合っているように見えるのが
河出書房新社の本である。

池澤夏樹の著作自体は読んだことが無いし、今後も読むことは無いと思うが
全集は観ているだけで楽しい、
全部入手して並べる様な趣味は無いが、近年少しずつ入手して、少しずつ読んでいる。
ただ、どれもこれも結構分厚くて重いので、なかなか持ち運んで読む気には
なれない。文庫本化してくれたら全部まとめて手に入れるのだが。
当然全て読んだわけでもないが、傾向的に翻訳としては上質だと思う。

特に短編コレクションを適当にランダムに読み散らすのは
本当に至高の時間である。
(なかなかそういう時間を得る事が出来てないのだが)

 この全集はたまたま京都で「オン・ザ・ロード」が出たばかりで
偶然入手したのがきっかけだった。
 同じ本の文庫本も手元にあったが、どちらもまだ読めていない。

 別の翻訳者の文庫本もかって挑戦したが、翻訳がひどすぎて
すぐに捨てたと思う。
 (そういえば映画もどこかにある筈なのだが、いつかゆっくり観てみたいと
思いつつ…何年経ったことだろうか?)


『存在の耐えられない軽さ』は集英社「ヴァインランド」トマス・ピンチョン版のが出てすぐに手元にやってきたが
途中まで読んで止めてしまった。映画も途中で止めたままである。

 千野栄一訳『存在の耐えられない軽さ』(集英社)を
先日久々に数頁読んでみたが、やはり面白い。これは多分1993年頃に出た初版の筈。


 先日久々に西海岸のLAでトマス・ピンチョンの「LAヴァイス」という小説(と映画)の
存在を知った。偶然先日「ヴァインランド」トマス・ピンチョンも入手リストに上がっていたが
最近のリアル本屋にはなかなか在庫が無く諦めた経緯がある。

 読みたい本、観たい映画の残り本数と自分の残りの人生と比べると
残りの人生の方が遙かに少ない。
 だからこそ出来るだけ上質な作品だけに絞りたいのだが…まだまだ
屑やカス作品をつかまされる。


池澤夏樹=個人編集 「世界文学全集」【全30巻】河出書房新社 2007-2011年

1-01「オン・ザ・ロードジャック・ケルアック 青山南
1-02「楽園への道」マリオ・バルガス=リョサ 田村さと子訳
1-03「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ 西永良成訳
1-04「太平洋の防波堤/愛人 ラマン/悲しみよ こんにちは」マルグリット・デュラス 田中倫郎・清水徹訳/フランソワーY・サガン 朝吹登水子
1-05「巨匠とマルガリータミハイル・ブルガーコフ 水野忠夫
1-06「暗夜/戦争の悲しみ」残雪 近藤直子訳/バオ・ニン 井川一久訳
1-07「ハワーズ・エンド」E・M・フォースター 吉田健一
1-08「アフリカの日々/やし酒飲み」イサク・ディネセン 横山貞子訳/エイモス・チュツオーラ 土屋哲訳
1-09「アブサロム、アブサロム!ウィリアム・フォークナー 篠田一士
1-10「アデン、アラビア/名誉の戦場」ポール・ニザン 小野正嗣訳/ジャン・ルオー 北代美和子訳
1-11「鉄の時代」J・M・クッツェー くぼたのぞみ訳
1-12「アルトゥーロの島/モンテ・フェルモの丘の家 」エルサ・モランテ 中山エツコ訳/ナタリア・ギンズブルグ 須賀敦子

2-01「灯台へ/サルガッソーの広い海」ヴァージニア・ウルフ 鴻巣友季子訳/ジーン・リース 小沢瑞穂訳
2-02「失踪者/カッサンドラ」フランツ・カフカ 池内紀訳/クリスタ・ヴォルフ 中込啓子訳
2-03「マイトレイ/軽蔑」ミルチャ・エリアーデ 住谷春也訳/アルべルト・モラヴィア 大久保昭男
2-04「アメリカの鳥 」メアリー・マッカーシー 中野恵津子訳
2-05「クーデタ」ジョン・アップダイク 池澤夏樹
2-06「庭、灰/見えない都市」ダニロ・キシュ 山崎佳代子訳/イタロ・カルヴィーノ 米川良夫訳
2-07「精霊たちの家」 イサベル・アジェンデ 木村榮一
2-08「パタゴニア/老いぼれグリンゴ」ブルース・チャトウィン 芹沢真理子訳/カルロス・フエンテス 安藤哲行
2-09「フライデーあるいは太平洋の冥界/黄金探索者」ミシェル・トゥルニエ 榊原晃三訳/J・M・G・ル・クレジオ 中地義和訳
2-10「賜物」ウラジーミル・ナボコフ 沼野充義
2-11「ヴァインランド」トマス・ピンチョン 佐藤良明訳
2-12「ブリキの太鼓ギュンター・グラス 池内紀

3-01「わたしは英国王に給仕した」ボフミル・フラバル 阿部賢一
3-02「黒檀」リシャルト・カプシチンスキ 工藤幸雄/阿部優子/武井摩利
3-03「ロード・ジム」ジョゼフ・コンラッド 柴田元幸
3-04「短篇コレクション Ⅰ」コルタサル
3-05「短篇コレクション Ⅱ」A・グリーン/G・トマージ・ディ・ランペドゥーサ他
苦海浄土 石牟礼 道子 著