林芙美子『放浪記』

毎晩、毎晩寝る前に夜に抵抗し、
寝床で濁った片目を無理矢理開いて
『放浪記』を読んでいる。

とてもとても丁寧に読んでいる。
こんなに丁寧に本を読むのは久し振りだ。

男に捨てられたり、米を買いに行ったりの
シーンでついつい泣いてしまう。

先日久々に米を買った。
例え虫の湧いた米でも米は米だ。
食べられるだけ有り難い。

近年一人で居ることが多いので
なんだが涙腺が弱くなってしまった。
活字でも映像でも感情に任せて落涙することしばしばである。

砂の女』を再読してみたいが行方不明だ。
 Yukoさんは『堕落論』を読んでいるみたいだが
それも行方不明だ。

金出してまで『海辺のカフカ』を買わずに正解だ。
いつか文庫本になって、100円均一で買って読もう。
もしくは図書館で借りて読もう。
それくらいの抵抗はしてみたい。

昔読んだ本の再読は思わぬ発見があって
つくづく人生も後半に突入してきたと思う。

秋です。