『境界線上の女』

境界線上の女と言っても別に境界線の上に乗っているわけでもない。

存在感あるわけでもなく
完全に消えているわけでもない。

風景に溶け込んでいるわけでもなく
浮いているわけでもない。

ただただその存在が曖昧なだけである。

それは彼女の気持ち、生き様がそうであり、
そして体自体もそうである。

どこまでが彼女で
どこからが彼女でないのか?

とにかく曖昧なのである。

黄昏であるが、
本当の闇でもなく、
黄昏の終わりで夜の始まり…
時間帯さえはっきりせず
曖昧なのである。

鉛筆+水彩