Taxi driver

その実数年前から研修ヲタクである。
極力年に一回は研修に参加することにしている。

今回は全員強制参加の研修であったが
とになく絶望監獄に行かなくてもいいので研修は大歓迎である。
昭和の頃の研修と違って近年の研修は居眠りしている
暇などないくらいよく作りこまれており
またほとんどが参加型研修なので結構楽しくそして疲れる。

今回の研修の内容はさておき、研修後は
いつものところに呑みに行った。
今回のメンバーはたったの3名であるが
一人は23年振りに呑む相手である。
一次会でしこたま麦酒を呑んだ。
そこで散会の予定が、やはり東京商事の鮫島級の
そいつは参加を許さなかった。
今回の鮫島は前回の鮫島とはまた違う奴である。

タクシーに乗りまたエリアに向う。

鮫島のいきつけのスナックに行くことになった。
そのスナックは過去に2回行き色々と問題を引き起こした
店であった。

結局日が変わる直前に散会となりタクシーでアジトに戻る。

料金は1,700円だったので2,000円を払ってタクシーから歩道に下りる。

つり銭を小銭入れに入れようと確認してみると
確かに硬貨は3枚あるが100円硬貨が2枚と50円硬貨が1枚で
結局250円しかなかった。

かなり哀しい気分になった。

財政破綻するまではいつもタクシーの運転手さんに
120円チップとして渡していた。
 「珈琲でも飲んで下さい」という意味からである。

自らの名前と顔写真まで後部座席から見える様に
助手席の後ろに貼り付けているのにも関わらず
お釣りをちょろまかすその神経が哀しい。
ただ可能性としては次の二つであるがどちらにしても
哀しいのである。

1)生活が本当に苦しく10円でも50円でもちょろまかさないと
 生きていけない。

2)ただ単純にお釣りを間違えた。
 これまた荷重労働の哀しい実態である。

まぁいずれにしても仕事に対する男として人間としての
矜持というものが薄れている昨今ではある。

結果だけを見ると寸借詐欺なので犯罪なのだが。