Dyson

よく考えるとここ拾年間ほどはずっと永遠の引越し準備中の
状態である。

大体が要らないものが多すぎるのである。

前回の引越しの際にはかなりのモノを捨ててきたのだが
それでも年々色々と溜まってくる。

近年「全てを捨てる」と決めたもののなかなか
なんでもかんでもズバズバっと捨てることが出来ていない。

畳の表面を覆っているのものの大半が雑誌であったり文庫本で
あったりと書籍が多い。

だからなかなか掃除機をかけるという行為まで辿り着かないのである。

Dysonの掃除機さえあれば…と思っているが、
多分Dysonの掃除機を手に入れたところで
Dysonの掃除機が勝手に掃除をしてくれるわけなど
ないので多分今とそんなに状況は変わらないだろうと思う。

ただ、Dysonのお陰で「断・捨・離」が一気に加速した!
ということも有り得ない話ではないのでは?とも思う。

ただ、芥川龍之介の『芋粥』という小説の様に、Dysonさえあれば、
と思い続けている今の状態が一番幸福なのかもしれないとも思う。

ただただ蒸し暑いだけでなく、全てのモノ、ノート、畳までもが
水分を吸い込み膨らんでいるのがよくわかる。

午睡から醒め、またテレビをつける。
 本来ならテレビを捨てるところから始めないとならないのだが…。

代打、金本!
 昨日は見事に三振した。

阪神が勝とうが負けようが関係無いが、周囲の人間が喜んでいる姿を
見るのは楽しいのである。

 見事に450号目のホームランを打った。
 素晴らしい情景であった。

球団の勝敗は関係ないが金本のホームランを観るのは楽しいのである。

 どこの球団を応援してもそれは個人的な嗜好なのでどうでもいいが
確か村上春樹はヤクルトのファンで忌野清志郎は中日のファンであった
筈だ。

 金本のホームランを観た直後に、壊れかけたままなかなか壊れない
日立製の掃除機を持ち出して掃除機をかけた。
 (掃除機をかけた、という日本語もなんだか変だが)