『motif』 悪夢

悪夢のモチーフを延々と探している。

どんな悪夢かと言うと…

場所は中南米のある街の酒場
時間帯は週末の朝

酒場の中は真っ暗なのだが一箇所だけ壁をくりぬいた
奥が外界に通じておりそこから光が入ってくる。
(ガラス窓とは違う)

カウンターの上ではスカートをまくり上げて
幼女が歌って踊っている。(彼女は実在の人間)

手前には昨夜闘牛場から逃げてきた手負いの闘牛が
倒れている。

倒れた闘牛の脇で吟遊詩人がギターを弾きながら
哀しい唄を歌っている。

酒場の真ん中に一つだけ丸テーブルが見え、
右手に女
左手の男が座っている。

女はタバコをくゆらせるだけであまり吸わない。
ジントニックをちびりちびり飲んでいる。
女と男は一緒に暮らしているが女は掃除も洗濯も
料理も何もしないしダラダラとべらべらと喋らない。

男は喋りたいのだが何か一言発しても
女に拒絶されているようでなかなか言葉を発せないでいる。
ただただ向かい合って麦酒をチビリチビリすすっている。

外光が差し込んで来ることによって女の紫煙が良く見える。

その上にはカジキマグロがぶら下がっているが
見えるのは頭だけだ。

左の奥の上には小さくて旧いブラウン管のテレビがあり
白黒の無声映画がいつもかかっている。