『L'ODEUR DE LA PAPAYE VERTE』

L'ODEUR DE LA PAPAYE VERTE
青いパパイヤのかおり

10歳のムイ役がとっても可愛い。子供らしい。

フランス在住のベトナム系フランス人、トラン・アン・ユン監督の処女作。1951年、サイゴン。10歳の娘ムイが田舎から奉公へ出され、とある家にやって来た。何もせずただ楽器を楽しむだけの父と布地屋を営み家を支える母、社会人となった長男と二人の幼い弟たち、それに嫁に口うるさい祖母。召使いとして食事の世話や家の細々としたことを任されるムイだったが、家へ遊びにやって来ていた長男の友人クェンに、ほのかな恋心を抱くようになる。やがて時は流れて10年後、長男は結婚し、ムイは暇を出され、今度はクェンの家へと奉公することになる……。まだ幼いムイが興味を示す、昆虫や小さなものに対する愛情豊かな視線、そしてそれを捉えた光のなまめかしく、つややかな輝き。フランスで、セットを組み撮られたとは思えぬ光の戯れに驚かされる。と同時に、全編にまき散らされたエロティックな記号がこの映画を、ほのかに彩る。

 なんという縁。
ノルウェーの森』の監督が…トランだったとは。

'87年に刊行され記録的なベストセラーとなった村上春樹の同名小説を、ベトナム出身のトラン・アン・ユン監督が映画化。ドイツ行きの機内で“ノルウェイの森“という曲を耳にしたワタナベは、18年前に恋に落ちた直子のことを思い出す。彼女は、突然自殺した親友のキズキの恋人だった……。主人公のワタナベを松山ケンイチ、直子を菊池凛子が演じる。