生まれて初めて750((ナナハン)で公道を走った日
本当は赤/白のCBが欲しかった。
春休み中の肉体労働期間中にバイク雑誌の売ります/買います欄で見つけた
CB750FC(青/白)
往復葉書のやり取りで日時を決めて、電車を乗り継ぎ生まれて初めて
宝塚に行った。
売主は郵便局員でプロのライダーだった。
郵便局の官舎(独身寮)に出向いてやたらと広い部屋に入れてもらった。
売主はもうすぐ結婚するとかで婚約者の女性が紅茶をいれてくれた。
黒くて長い髪をした綺麗な女性だった。
紅茶を飲みながらしばらく雑談してからCBを観に駐車場へ行った。
譲渡をお願いして快諾してもらった。
価格は30万円。
売主はもうすぐ結婚するとの事だった。
でもお金が無かったので口約束だけして、そのまま生まれて初めて
750(ナナハン)で公道を走って家まで帰った。
あの頃(昭和の終わり)はモノを手に入れるのにはお金だけではない
世界があった。