熊谷守一『へたも絵のうち』

熊谷守一『へたも絵のうち』を読んだ。
この本の本文はかって日経新聞の「私の履歴書」に連載されて
いたというから驚きだ。
昔はまともな連載をしていたわけだ。
大体からして経済的成功者の話ってツマラナイ。
ただ苦労話の間は面白いが。
それがやれ売り上げが○億円になった、やれ社員の数が○千人に
なったとか、成功する段になると面白くもなんともなくなるのが
不思議だ。
成功談より失敗談の方が他人には響きやすいと思う。
成功する時より失敗する時の方が色々な背景や理由があると思う。
まぁそれ以外の理由としてはどんな大会社の社長や会長や顧問でさえ
創業者でなくサラリーマンとして成功談だから面白いわけがない。
近年のそれらの連載に比べるとこの熊谷守一の話は全編面白い。
だからこそ他の経済的成功者の「私の履歴書」がこんな風に
単行本にはなっていないと思う。
どこかでなっているかもしれないがまだ見た事はない。