破壊検査

生まれて初めて検査を受けた。

外科医は自らの顔さえ見せずに閘門に指を突っ込み、
そして次には器具を突っ込んだ。
 ベッドに上に横臥しお尻だけむき出しにされ、
後ろからこねくりまわされた。
 激痛が走る・・・「挙句にポリープありますな、まぁ痔ですなぁ」
とだけ一言発して隣室に消えた。

 強姦の疑似体験である。

患者でもないし、人間とみなしていない様な外科医の態度。

ようやくベッドから立ち上がり次の診察に出向こうとするが、
どうも液漏れがしているようで気持ち悪い。

 突然やってきた月経みたいな疑似体験である。

次は泌尿科に向かう。

 今度は面と向かってまず泌尿科医の説明を聞く。
 そしてこっちは涙ながらに痛みを訴える。
 泌尿科医はうなずきながら「優しくする」という。

ベッドで仰向けになり、両腕で足を抱え閘門をむき出しにする。

 泌尿科医の指がゆっくりとお尻に入ってくる。

 痛くはないが変な気持ちが続く・・・ごにょごにょとこねくり回される。

それにしてもあの外科医のせいで直腸が傷つけられて痛くてたまらない。

内科医の女医さんとは色々なことを楽しく話せただけにあの外科医の
失点が痛い。

下剤を飲んでもバリウムが居座っている。

 夕刻から飲み放題の飲み会に行き延々と麦酒を飲み続けるが、
胃腸にコンクリートが流し込まれた様な状態でなかなか
すんなりと麦酒が入っていかない。

 ラマーズ法や色々と試したがなかなかバリウムが体内から
出て行かない。飲み会は佳境に入ったが・・・終電前に散会し
帰ってきた。

 破壊検査なんて二度と受けてやるか、と思う。

結局下腹部に抱えた痛みはどの医者も「聞き流す」だけで終わった。

 まぁ医者にも色々とあるから仕方ないのだろうが。