To be free rider 8

初めてバイクに乗ったのはバイクの荷台で小学生後半の頃。
当時地方の工業高校機械科を出たばかりで住み込みで
働きにきていた兄ちゃんが夜何かを買いにいくのに
連れ出された。
当然の様にカギがつけっ放しカブが1台あった。
番頭さんが乗って集金に行ったり、丁稚どんが現場に部品を届けに
行ったりとまさしくみんなの下駄代わりのカブが1台あった。
それがいつの頃からあったのか記憶が無い。
その兄ちゃんはまだまだ金が無く車を買えなかったので
そのカブで夜遊びに行っていた様である。
その兄ちゃんの運転は下手糞でただただ怖かった思いがあるが
反面かってない加速と開放感を味わったのである。

それから約7年ほどバイクとは完全に無縁である。
その代わりシャコタンのヤンキー車に同乗させてもらうことは多々あった。
ブルーバードSSS(スリーエス) やセリカLBとかである。
別に暴走に付き合ったわけではないが、夜の市内を暴走に近いことを
体験したりした。ある時に住み込みで来た人はやはり本物の小さい暴走族のリーダーであった。
その頃は完全に「サーキットの狼」系に系統しており、将来は絶対に
ロータス・ヨーロッパに乗るんだ!と自分の運命を決めていた。

が、19歳になってからやっと堂々とバイクの免許を取れる様になった。
勿論一番最初は誰もがくぐる親父との闘いである。
最後には親父が折れて原付の免許を取ることなった。
絶対にカブにしろ!という親父に反抗してMCX50にした。
本当はMBX50にしたかったが近所の自転車屋のカタログからは
既にカタログ落ちしておりMCX50しかなかった。
金沢市南郊でいきなりMCX50と体面し見よう見真似というか
自分の中の想像でだけ乗り始めたが怖かった。
頭ではクラッチの概念は理解できているつもりではあったが
現物の動きは全然違っていた。
しばらくして原付ばかり4台で能登一周の旅に出た。
そうこうする内に例のFX400に出会うのである。
バイクの免許を取るために先ず車の免許を取ることにした。
車の免許を取ったその日の午後遅くにはバイクの実技講習を
受けていた。中型バイクの免許はあっと言う間に取ることが出来た。
免許取った日に借りたバイクがCBX400Fで夜の国道8号線
大型トラック連中にいたぶられながら排ガスまみれになって走った。
既に晩秋。
そこから限定解除まで約1年半を要したのである。