『マンボウ遺言状』北杜夫 新潮文庫 400円税別

マンボウ遺言状』北杜夫

 久々に北杜夫の文庫を買ったが酷い文章で読み終わるまで5回くらい中断した。
 もう30年以上も前に『銅の時代』(青春記)から北杜夫作品に傾倒したいったので
この『遺言状』には愕然としてしまった。
 まるで口述筆記もしくは幽霊作家が録音をまとめたような文章なのである。
 内容はともかく文章がとにかく酷かった。

 後日久々に『夜と霧の隅で』新潮文庫 438円税別を買いなおして
改めて読んでみた。
 『夜と霧の隅で』でだけでなく同文庫に収録されている
『岩屋根にて』『羽蟻のいる丘』『霊媒のいる町』『谿間にて』等々の初期作品群も
私の知る北杜夫の文章であった。

 まぁ小説とエッセイでは方向性が違うので仕方が無いのだが。


海街diary吉田秋生

 久々に吉田秋生の漫画をまとめて読んだ。
今回は『海街diary』の第1巻から第5巻
 舞台は鎌倉。
現在流行のごちゃごちゃした漫画とは違って線で描くキャラと
台詞による心理描写…久々に漫画らしい漫画を読んだきがする。
片岡義男原作のアニメ『ボビーに首ったけ』のキャラクターデザインは吉田秋生だった。
 (以前調べたときは残念ながらVHSかLDにしかなっていなかったが、今はどうだろうか?)

時間をかけて一巻ずつゆっくりと読んだが、第5巻の"彼岸会の客"では思わず号泣してしまった。